外国人を雇用する前に確認すべき在留資格チェックリスト【2026年最新版】


─── はじめに ───

「在留カードを見せてもらって、期限が切れていないのは確認したんですが……それ以外に何か確認することがあるんでしょうか?」

先日、初めて外国人を採用しようとしている飲食チェーンの人事担当者からこんな質問を受けた。在留期限を確認しているのは正しい。でも実はそれだけでは全く足りない。在留カードには「期限」以外にも確認すべき項目が複数あり、雇用後の手続きも含めると企業側が果たすべき義務は思いのほか多い。

外国人を雇用する前に確認が必要なことは、大きく分けて5つある。①在留資格の種類、②就労可否・業務範囲の確認、③在留カードの真正性確認、④雇用後のハローワーク届出、⑤入社後の契約・待遇の整備だ。このどれか一つでも抜けると、後から取り返しのつかないトラブルになる。

「知らなかった」で済まされないのが外国人雇用だ。2025年6月の出入国管理法改正で、不法就労助長罪の罰則は最大「5年以下の懲役または500万円以下の罰金」に引き上げられた。採用を決める前に、この記事のチェックリストで一つずつ確認してほしい。


─── 第1章:なぜ「採用前」の確認が重要なのか ───

外国人雇用は「知らなかった」では済まされない

日本人を採用するときは、在留資格の確認など必要ない。しかし外国人を採用するときには、「その人が日本で就労できる法的な許可を持っているか」を企業側が確認する義務がある。

この確認を怠って不法就労者を雇った場合、たとえ企業が「知らなかった」としても、「不法就労助長罪(ふほうしゅうろうじょちょうざい)」に問われる可能性がある。不法就労助長罪とは、不法就労している外国人をあっせん・雇用することを禁じた罪だ。

2025年6月の改正出入国管理法施行により、罰則が大幅に強化された。

行為改正前(〜2025年5月)改正後(2025年6月〜)
不法就労助長(あっせん・雇用)3年以下の懲役または300万円以下の罰金5年以下の懲役または500万円以下の罰金
書類確認を怠った場合30万円以下の罰金(ハローワーク届出義務違反)同左(届出義務違反は据え置き)

「まさか偽造カードを使われるとは思わなかった」「あの人は問題ないと思っていた」という言い訳は通用しない。採用する前に、この記事で解説するチェックリストを一つずつ確認することが最大の自衛策だ。

チェックは「採用前」に必ず行う

よくある失敗パターンが「採用を決めてから在留資格を確認する」ケースだ。採用後に在留資格の問題が判明すると、内定取り消しや即時解雇などの対応が必要になり、外国人本人にとっても企業にとっても大きな損失になる。

採用選考の最初の段階(書類審査または一次面接)で在留資格を確認するのが原則だ。


─── 第2章:在留カードの確認ポイント(表面・裏面) ───

まず在留カードを現物で確認する

外国人を採用するとき、最初に確認するのは「在留カード(ざいりゅうカード)」だ。在留カードは出入国在留管理庁(にゅうかんちょう)が発行する公式の身分証明書で、A6サイズ(はがきより少し大きい)のICチップ内蔵カードだ。

コピーやスキャンで確認するのは不十分。必ず「現物」を手にとって確認すること。

在留カード表面の確認項目

確認項目場所何を確認するか
氏名・国籍表面上部パスポートと一致するか
在留資格表面中央就労できる在留資格かどうか
在留期間(満了日)表面中央有効期限が切れていないか
就労制限の有無表面下部「就労不可」ではないか
カードの有効期限表面右下カード自体の期限も要確認
写真表面左本人と一致するか

在留カード裏面の確認項目

確認項目場所何を確認するか
資格外活動許可裏面「資格外活動許可欄」「就労不可」のカードでもここに印字があれば週28時間以内のアルバイト可
許可の内容同上「許可(原則週28時間以内・風俗営業等の業務を除く)」の記載か確認

特に重要な「就労制限の有無」欄

在留カード表面の「就労制限の有無」欄には、次の3種類のどれかが記載されている。

記載内容意味雇用時の対応
就労制限なし業種・時間の制限なし(永住者・日本人の配偶者等・定住者など)どんな仕事でもフルタイムで就労可能
就労不可本来は就労できない(留学・家族滞在など)裏面「資格外活動許可欄」を必ず確認。印字があれば週28時間以内可
指定書記載機関のみ就労可(在留資格:技術・人文知識・国際業務等)特定の業務・機関のみ就労可能指定された業務・機関の範囲内か確認が必要

在留資格ごとの就労可否早見表

在留資格就労の可否時間制限特記事項
永住者制限なしなし在留期限はあるが更新可能
日本人の配偶者等制限なしなし
永住者の配偶者等制限なしなし
定住者制限なしなし
技術・人文知識・国際業務指定業務のみなし学歴・経験と業務の整合性要確認
特定技能1号指定分野・業務区分のみなし指定書の業務区分を確認
特定技能2号指定分野・業務区分のみなし建設・造船等13分野で取得可能
技能特定の技能業務のみなし調理師・スポーツ指導者等
教育学校教育機関での授業のみなし
医療医療関連業務のみなし
介護介護業務のみなし
留学原則就労不可資格外活動許可で週28時間以内裏面許可欄を確認
家族滞在原則就労不可資格外活動許可で週28時間以内裏面許可欄を確認
特定活動(46号)許可された活動のみ指定書によるパスポート内の指定書を確認
技能実習実習計画の範囲内のみなし実習計画に記載の業務のみ
育成就労指定業務のみ(2027年4月〜)なし2027年4月施行予定

─── 第3章:在留カードの真正性(偽造でないか)を確認する ───

精巧化する偽造カード問題

在留カードの偽造・改ざんの問題は年々深刻化している。券面(表面の印刷)を精巧に偽造したカードが流通しており、目視だけでは本物と区別がつかないケースも出てきた。

「見た目が本物らしかったので」という理由は免責されない。企業は採用時に真正性確認の努力をする義務がある。

出入国在留管理庁の無料アプリを使う

出入国在留管理庁は「在留カード等読取アプリケーション」を無料で提供している(Android・iOS両対応)。このアプリを使うと、在留カードのICチップ内の情報を読み取り、次のことができる。

機能内容
ICチップ読み取り偽造・改ざんの有無を検出
失効情報照会そのカードが現在有効かどうかをリアルタイムで確認(2025年11月14日より追加機能)
情報の表示チップ内の氏名・在留資格・在留期限等を画面に表示

2026年1月5日からは、失効情報照会のURLが変更されている。アプリを最新版に更新しておくことを推奨する。

在留カードの確認チェックリスト(真正性確認)

  • カードの厚さ・質感が通常のカードと同じか(異常に薄い・厚い場合は注意)
  • 表面のホログラムが確認できるか
  • カード右上の顔写真のホログラムが確認できるか
  • 在留カード等読取アプリでICチップを読み取ったか
  • アプリ上の失効情報照会でカードが有効であることを確認したか
  • アプリ表示の情報とカード券面の情報が一致するか

─── 第4章:在留資格と採用業務の整合性を確認する ───

「就労できる」だけでは不十分

在留カードに「就労制限なし」と書かれていれば、どんな仕事でも任せていい。しかし「技術・人文知識・国際業務」「特定技能」「技能」などの就労系在留資格の場合、在留資格で認められた業務範囲内の仕事しかできない

採用後に実際に担当してもらう業務が、その在留資格の範囲内かどうかを採用前に確認しておくことが重要だ。

在留資格別:業務範囲の確認方法

技術・人文知識・国際業務(技人国)の場合

技人国は次の3区分のいずれかに該当する業務が対象だ。

区分対象業務学歴・経験の要件
技術IT・エンジニアリング・科学技術分野の業務理工系大卒または実務経験10年以上
人文知識法律・経済・経営・人文科学分野の業務文系大卒または実務経験10年以上
国際業務外国の文化・慣習を必要とする翻訳・通訳・語学教育等実務経験3年以上(翻訳通訳は経験不問)

よくある間違い:「大卒の外国人だから技人国で何でも採用できる」という思い込み。実際には、担当してもらう業務が上記3区分のいずれかに該当しているかどうかが問われる。工場の単純ライン作業・清掃・梱包などの「単純作業」には技人国は適用されない。

特定技能の場合

特定技能は「指定書(していしょ)」という書類にその人が従事できる分野・業務区分が具体的に記載されている。指定書はパスポートに貼付または別紙として添付されている。

確認項目確認方法
対象分野指定書の「特定産業分野」を確認
業務区分指定書の「業務区分」を確認
従事する業務との整合性入管庁の分野別運用要領と照合

特定活動(46号)の場合

特定活動46号(日本の大学・大学院卒で日本語能力試験N1相当を持つ人向けの在留資格)は、パスポートに添付された「指定書」に許可された活動が記載されている。指定書の範囲外の業務は担当させてはいけない。

採用前の業務整合性チェックリスト

  • 採用予定の外国人の在留資格の種類を確認したか
  • その在留資格で就労できる業務範囲を確認したか(入管庁サイト・行政書士等で確認)
  • 採用後に担当してもらう業務の具体的な内容を整理したか
  • 担当業務と在留資格の業務範囲が一致しているか確認したか
  • 特定技能の場合は指定書の「分野」「業務区分」を確認したか
  • 留学・家族滞在の場合は、資格外活動許可の有無と週28時間の上限を確認したか

─── 第5章:在留期限・更新スケジュールを確認する ───

「期限切れ」が最も多いトラブル

外国人雇用のトラブルで最も多いのは「気づかないうちに在留期限が切れていた」ケースだ。採用時は期限内だったのに、その後の更新を忘れていて不法残留になっていた、というパターンが後を絶たない。

在留期限の確認は採用時だけでなく、雇用継続中も定期的に行う必要がある。

在留期限の確認と管理方法

確認タイミング確認内容
採用時在留カードの在留期間満了日を確認する
雇用継続中在留期間満了日の3〜6ヶ月前にアラートを設定する
更新後新しい在留カードを確認・コピーを保管する

実務的なアドバイス:在留期限の半年前にシステムやカレンダーでアラートを設定しておくと、更新手続きの失念を防げる。外国人本人にも「在留期限の3ヶ月前には更新申請を始めるよう」伝えておくと良い。

在留期限に関する注意点

在留期限が切れた後も、更新申請中であれば最大2ヶ月間は従来の在留資格で在留・就労できる(「みなし在留(みなしざいりゅう)」という制度)。ただし、申請中であることを示す書類(申請受付票等)を確認しておくことが必要だ。

状況就労の可否
在留期限内就労可
在留期限切れ・更新申請中(申請から2ヶ月以内)みなし在留として就労可
在留期限切れ・更新申請中(申請から2ヶ月超)不法残留の可能性あり。就労させてはいけない
在留期限切れ・更新申請なし不法残留。即時就労停止が必要

─── 第6章:ハローワークへの届出義務を確認する ───

外国人雇用状況の届出は「全事業主の義務」

外国人を雇用するすべての事業主は、その外国人の雇入れ・離職の際に「外国人雇用状況の届出(がいこくじんこようじょうきょうのとどけで)」を行う義務がある。これは雇用対策法に定められた義務であり、違反すると30万円以下の罰金の対象となる。

届出対象対象外
すべての外国人労働者特別永住者(在日韓国人等)・外交・公用の在留資格を持つ人

届出の方法・タイミング

雇用保険に加入する場合:
雇用保険の「資格取得届」を提出することで、外国人雇用状況の届出も兼ねる(一括届出)。届出期限は翌月10日まで。

雇用保険に加入しない場合(週20時間未満のパート等):
ハローワークに「外国人雇用状況届出書」を別途提出する。届出期限は雇入れ翌月末まで。

届出方法内容
ハローワーク窓口所轄のハローワークに直接提出
オンライン(ハロワONLINE)ハローワークの電子申請システムで提出可能
雇用保険資格取得届と一括雇用保険加入者の場合はこちらが便利

届出時に記録する情報

届出に必要な情報は次のとおりだ。在留カードを確認しながら正確に記録する。

記録項目確認先
氏名(ローマ字・カナ)在留カード表面
在留資格在留カード表面
在留期間(満了日)在留カード表面
在留カード番号在留カード表面右上の英数字
国籍在留カード表面
生年月日在留カード表面

─── 第7章:雇用保険・社会保険の加入義務を確認する ───

外国人にも日本の社会保険は適用される

外国人労働者も、日本人と同じ条件で社会保険への加入が義務付けられている。「外国人だから加入しなくていい」は完全な誤解だ。

保険の種類加入義務の条件外国人への適用
雇用保険週20時間以上・31日以上雇用見込み適用あり(一部例外あり)
健康保険(社会保険)正社員・週30時間以上のパート等国籍不問で加入義務あり
厚生年金保険健康保険と同条件適用あり(社会保障協定国は例外あり)
労災保険労働者であれば全員在留資格・就労時間問わず適用

脱退一時金制度について

外国人が帰国する際、年金を受け取る前に日本を離れる場合は「脱退一時金(だったいいちじきん)」の申請ができる。2024年4月の改正により、脱退一時金の上限が「60月(5年)相当分」に変更されている。採用時に外国人本人に説明しておくと親切だ。

社会保障協定について

日本はドイツ・米国・韓国など24か国と「社会保障協定(しゃかいほしょうきょうてい)」を締結している。協定締結国の出身者は、一定期間(多くは5年)は母国の保険に加入したまま日本の厚生年金を免除されるケースがある。人事担当者として覚えておくと、外国人スタッフからの質問に答えやすい。


─── 第8章:採用前に確認すべき「在留資格変更」の必要性 ───

就労ビザへの変更が必要なケース

採用しようとしている外国人が、現在の在留資格のままでは採用後の業務に従事できない場合は、在留資格変更許可申請(ざいりゅうしかくへんこうきょかしんせい)が必要になる。

最も多いのは「留学」の在留資格を持つ留学生を正社員として採用するケースだ。留学のままでは週28時間以内しか働けないため、卒業後は「技術・人文知識・国際業務」などの就労系在留資格への変更が必要になる。

変更が必要なケース変更前の在留資格変更後の在留資格(例)
留学生の正社員採用留学技術・人文知識・国際業務
家族滞在者のフルタイム採用家族滞在技術・人文知識・国際業務 等
技能実習修了後の継続採用技能実習特定技能1号 等
他社の就労ビザ保持者の転職技術・人文知識・国際業務 等同在留資格のまま(就労資格証明書の取得を推奨)

在留資格変更申請のスケジュール

在留資格変更の審査期間は、標準処理期間で約2週間〜2ヶ月かかる。混雑時期(3月〜5月)はさらに長くなることがある。入社日から逆算して、余裕を持った申請スケジュールを組む必要がある。

ステップ内容目安期間
採用内定雇用契約書・労働条件通知書を締結
在留資格変更申請外国人本人が管轄の地方出入国在留管理局に申請内定後できるだけ早く
審査期間入管庁での審査2週間〜2ヶ月
新しい在留カード交付許可が下りれば新カードが発行審査完了後
就労開始新しい在留資格で就労開始在留カード交付後

重要:変更申請中でも、申請前の在留資格の期限内であれば「みなし在留」として在留・従事は可能な場合がある。ただし、申請中に従前の在留資格で禁止されている業務を行わせることはできない。

就労資格証明書について

転職・中途採用の外国人(すでに就労系ビザを持っている人)を採用する場合、在留資格変更の必要はない場合が多い。ただし、採用する企業での業務が現在の在留資格の業務範囲と一致しているかどうかを確認するために、「就労資格証明書(しゅうろうしかくしょうめいしょ)」を取得することを推奨する。

これは入管庁が「この人はこの会社でこの業務をして問題ない」と確認した証明書だ。必須ではないが、取得しておくことで企業・外国人双方が安心できる。


─── 第9章:労働条件の整備と多言語対応 ───

外国人にも労働基準法は全面適用

外国人労働者にも、日本人と全く同じ条件で労働基準法が適用される。最低賃金、残業代の割増率、有給休暇、休憩時間など、すべて日本人と同じ基準を守らなければならない。

「外国人だから少し低い給与でいい」「残業代は払わなくていい」は完全に違法だ。外国人だからといって待遇を下げることは、労働基準法違反かつ不当差別に当たる。

労働条件通知書の交付義務

すべての労働者に対して、雇入れ時に「労働条件通知書(ろうどうじょうけんつうちしょ)」を交付することが義務付けられている。外国人の場合、言語の壁から内容を理解できないケースがあるため、可能な限り本人の母語で作成・説明することが望ましい。

厚生労働省は外国人向けのモデル労働条件通知書を英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語など複数言語で公開しており、無料でダウンロードして使用できる。

言語入手先
英語・中国語・ポルトガル語・スペイン語等(8言語)厚生労働省ウェブサイト(「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」で検索)

労働条件通知書に記載すべき主な内容

必須記載事項任意記載事項(記載推奨)
労働契約の期間退職手当に関する事項
就業の場所・従事業務賞与に関する事項
始業・終業時刻・残業の有無社会保険の適用有無
休憩・休日・休暇在留資格更新の会社サポート有無
賃金の額・支払い方法日本語教育サポートの有無
退職に関する事項

─── 第10章:採用前の総合チェックリスト(完全版) ───

フェーズ1:書類審査・一次面接時(採用決定前)

在留カード確認(基本)

  • 在留カードの現物を確認したか(コピー・写真は不可)
  • 在留資格の種類を確認したか
  • 在留期間満了日が有効期限内であることを確認したか
  • 「就労制限の有無」欄を確認したか
  • 「就労不可」の場合、裏面の資格外活動許可欄を確認したか

在留カード確認(真正性)

  • 出入国在留管理庁の読取アプリでICチップを読み取ったか
  • アプリの失効情報照会でカードが有効であることを確認したか
  • アプリ表示の情報とカード券面が一致するか確認したか

業務範囲の確認

  • 採用後に担当してもらう業務の内容を具体的に整理したか
  • その在留資格で当該業務に従事できることを確認したか
  • 技人国の場合:学歴・経験と業務の整合性を確認したか
  • 特定技能の場合:指定書の分野・業務区分を確認したか
  • 留学・家族滞在の場合:週28時間の上限を把握したか

在留資格変更の必要性確認

  • 現在の在留資格で採用後の業務に従事できるか確認したか
  • 在留資格変更が必要な場合、入社日から逆算したスケジュールを組んだか
  • 変更申請に必要な書類(雇用契約書等)を準備したか

フェーズ2:採用決定・入社手続き時

書類準備・手続き

  • 労働条件通知書(できれば本人の母語)を準備したか
  • 在留カードのコピーを採用書類として保管したか
  • パスポートのコピーを保管したか(特定技能・技人国等は申請に必要)
  • 指定書のコピーを保管したか(特定技能・特定活動46号等)

社会保険・雇用保険の手続き

  • 雇用保険の加入要件(週20時間以上・31日以上)を確認したか
  • 健康保険・厚生年金の加入要件を確認したか
  • 加入義務がある場合、入社後速やかに加入手続きを行うよう準備したか

ハローワーク届出

  • 外国人雇用状況の届出義務があることを把握しているか
  • 雇用保険加入の場合:資格取得届と一括で届出する準備をしたか
  • 雇用保険非加入の場合:外国人雇用状況届出書を翌月末までに提出する準備をしたか

フェーズ3:雇用開始後(継続管理)

  • 在留期限の半年前にアラートを設定したか
  • 在留カードの更新後、新しいカードを確認・コピーを更新したか
  • 在留資格変更が必要になった際の対応フローを社内で共有したか
  • 外国人本人に脱退一時金制度・社会保障協定を説明したか

─── 第11章:よくある違反事例と対処法 ───

違反事例1:留学生に週28時間以上働かせてしまった

状況:アルバイトとして雇用した留学生に、繁忙期だったため週32時間勤務させてしまった。

問題点:資格外活動許可で認められる就労時間は週28時間以内(大学等の夏休み・冬休み期間中は週40時間以内に緩和)。週28時間を超えると違法就労となり、企業も不法就労助長罪の対象になる可能性がある。

対処法:勤怠システムで外国人アルバイトの週次就労時間をリアルタイムで管理する。週26時間を超えたら自動でアラートが出るよう設定しておくと安心だ。

違反事例2:技人国で採用した外国人に単純作業をさせていた

状況:「技術・人文知識・国際業務」で採用したベトナム人に、繁忙期に工場のライン作業を手伝わせていた。

問題点:技人国は「専門的・技術的な業務」が前提であり、単純な肉体労働やライン作業は在留資格の範囲外だ。継続的に従事させると在留資格違反になる。

対処法:臨時の手伝いが必要な場合でも、主たる業務(技人国の範囲内の業務)が全業務時間の過半数を超えるよう管理する。根本的には、雇用形態や在留資格を見直す必要がある。

違反事例3:在留期限が切れたまま雇用を続けていた

状況:更新申請をすると本人から聞いていたが、実際には申請しておらず、在留期限切れのまま3ヶ月勤務させてしまった。

問題点:不法残留者を雇用し続けることは不法就労助長罪に当たる。「本人が更新すると言っていた」は免責理由にならない。

対処法:企業側でも在留期限を管理し、期限切れになる前に本人に確認する。更新後は新しい在留カードを必ず確認・コピーを保管する。

違反事例4:ハローワーク届出を怠っていた

状況:外国人アルバイトを何人か雇用していたが、外国人雇用状況の届出義務を知らず、一切届出をしていなかった。

問題点:外国人雇用状況の届出を怠ると30万円以下の罰金の対象となる。

対処法:採用手続きのフローに「ハローワーク届出」を組み込み、担当者全員が把握できるようにする。雇用保険加入と一括して届出できる場合は、雇用保険の手続きと同時に行う。


─── 第12章:困ったときの相談窓口と参考情報源 ───

公的な相談窓口

機関名主な相談内容特徴
出入国在留管理庁(入管庁)在留資格・ビザ申請・届出公式窓口。電話・来庁相談可
ハローワーク(公共職業安定所)雇用保険・外国人雇用状況届出全国各地に窓口あり
外国人技能実習機構(OTIT)技能実習・育成就労の相談技能実習に特化した公的機関
都道府県労働局労働条件・社会保険の相談各都道府県に設置
外国人在留支援センター(FRESC)複合的な相談に対応東京・大阪に設置。無料

外国人本人の相談窓口

外国人本人が日本での生活・就労について相談できる窓口も整備されている。企業として外国人スタッフに案内しておくと良い。

機関名対応言語主な相談内容
外国人在留支援センター(FRESC)多言語対応在留資格・生活相談全般
よりそいホットライン(外国語対応)英語・中国語・韓国語等生活困難・悩み相談
各市区町村の外国人相談窓口自治体による生活全般

信頼できる専門家への相談

複雑な在留資格の申請や判断に迷う場合は、専門家に相談することを強くすすめる。

専門家担当できる業務
行政書士(入管業務専門)在留資格申請・変更・更新の代行
社会保険労務士雇用保険・社会保険手続きの代行
弁護士外国人雇用に関するトラブル・法的相談

─── まとめ ───

外国人を雇用する前に確認すべき主要ポイントを振り返ろう。

採用選考の段階(書類審査・面接時)に必ず確認すること:

確認項目重要度見落としリスク
在留カードの現物確認(種類・期限・就労制限)★★★必須期限切れ・就労不可の見落とし
在留カード読取アプリによる真正性確認★★★必須偽造カードの見落とし
在留資格と採用業務の整合性確認★★★必須業務範囲外の仕事をさせるリスク
在留資格変更の要否確認★★☆重要入社日に就労できない事態
ハローワーク届出の準備★★☆重要届出忘れによる罰金
社会保険・雇用保険の加入要件確認★★☆重要未加入による法令違反
労働条件通知書の準備(多言語対応)★★☆重要後々のトラブルの原因

外国人雇用は、やるべきことの多さに最初は戸惑うかもしれない。でも一度フローを整えてしまえば、2人目・3人目からは迷わずに対応できる。この記事のチェックリストを印刷して手元に置いておくか、社内の採用マニュアルに組み込んでほしい。

外国人の力を活かせる職場環境は、手続きをきちんと整えることから始まる。正しい知識でリスクを回避しながら、良い雇用関係を築いていってほしい。


参考情報源:

  • 出入国在留管理庁「在留カード等読取アプリケーション」
  • 出入国在留管理庁「外国人雇用状況の届出」(厚生労働省)
  • 厚生労働省「外国人労働者向けモデル労働条件通知書」
  • 厚生労働省「外国人雇用状況の届出について」


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