外国人労働者ニュース10選【2026年最新まとめ】特定技能・育成就労・入管法改正まで初心者向けに全解説


─── はじめに ───

「最近、外国人採用まわりのニュースが多すぎて、何が変わったのかついていけない」——そう感じている採用担当者は多いのではないだろうか。

去年の春、知り合いの製造業の社長から「技能実習が廃止されるって本当なの?」と焦ったような連絡がきた。ニュースのタイトルだけ見て不安になっていたのだ。でも詳しく調べてみると「廃止ではなく段階的な移行」で、しかも中小企業には3年間の猶予があることがわかった。正確な情報を早めに把握しておくと、焦らずに済む。

2025年は外国人労働をめぐる制度がとくに大きく動いた年だった。育成就労制度の施行日が正式決定し、特定技能の対象分野が増え、外国人労働者数は過去最多を記録した。この記事では、2025年1月以降に発表・報道された外国人労働者・外国人採用に関する重要ニュース10本を、初めて外国人採用を考えている経営者・採用担当者に向けてわかりやすく解説する。

制度の「なぜ?」「何が変わるの?」「うちの会社はどう動けばいい?」という疑問に、できる限り具体的に答えていく。


─── 第1章:外国人労働者数が257万人で過去最多を更新(2026年1月発表) ───

ニュースの概要

2026年1月30日、厚生労働省が「外国人雇用状況」の最新集計(2025年10月末時点)を公表した。日本で働く外国人労働者数は257万3,385人となり、前年比11.7%増という記録的な伸びで過去最多を更新した。

2007年の届出義務化以降、外国人労働者数は一貫して増加傾向にある。コロナ禍の2020〜2021年こそ伸びが鈍化したが、入国制限緩和以降は急回復。ここ数年は毎年10%超の増加が続いている。

国籍・分野の内訳

国籍人数割合
ベトナム約60.5万人約23.5%
中国約43.7万人約17.0%
フィリピン約27.8万人約10.8%
ネパール約19.2万人約7.5%
インドネシア約15.3万人約5.9%
その他約90.8万人約35.3%

(※国籍別の数字は概算表示例です。実際の公表値と若干異なる場合があります)

ベトナムが引き続き最多で、全体の約4分の1を占める。ただし近年はインドネシアやミャンマーからの労働者増加も著しい。

事業所数も過去最多

外国人を雇用している事業所数は37万1,215カ所と、こちらも過去最多。中小企業を中心に外国人採用の裾野が確実に広がっている。

採用担当者へのポイント

「外国人採用はまだ一部の大企業の話」という感覚はもう過去のものだ。37万以上の事業所で外国人が活躍しており、競争は年々激しくなっている。「いつか採用を考えよう」と先送りにしていると、優秀な人材を確保しにくくなる。


─── 第2章:育成就労制度の施行日が2027年4月1日に正式決定(2025年9月) ───

ニュースの概要

2025年9月26日、育成就労制度の施行日が2027年4月1日と閣議決定された。「技能実習制度の廃止と育成就労制度への移行」を定めた法律は2024年6月に成立していたが、施行日が正式確定したのがこのタイミングだ。

技能実習と育成就労、何が変わるのか?

まず前提を整理しておこう。技能実習制度(ぎのうじっしゅうせいど)は、開発途上国への技術移転を名目に外国人を受け入れる制度だった。だが実態は「安い労働力の確保」になっているケースも多く、人権団体や国際機関から長年批判されてきた。

育成就労(いくせいしゅうろう)は、この技能実習に代わる新制度だ。

比較項目技能実習育成就労
目的開発途上国への技術移転人材育成と人手不足解消(明確化)
期間最長5年(3号まで)原則3年
転籍(職場移動)原則不可1年後から可能(同一業務分野)
特定技能1号への移行試験合格が必要原則移行可能(修了時)
保護規定弱い強化(相談窓口・支援義務)

最大の変化は転籍(てんせき:職場の移動)の自由化だ。技能実習では原則として職場を変えることができなかったが、育成就労では1年経過後に同一業務分野内での転籍が認められる。これは外国人労働者の権利保護の観点から大きな前進だ。

3年間の移行期間に注意

施行日は2027年4月1日だが、技能実習から育成就労への完全移行には3年間の猶予期間が設けられている。つまり2030年3月31日まで技能実習制度も並行して存在する。

すでに技能実習生を受け入れている企業は、急いで対応する必要はない。ただし新規受け入れについては早めに育成就労ベースの体制を整えておくことをお勧めする。

採用担当者へのポイント

技能実習を使って外国人を受け入れている企業は、2027年以降の受け入れ体制の見直しが必要になる。育成就労では転籍が可能になるため、給与水準・職場環境・研修制度を整えないと、せっかく育てた人材が他社に移ってしまうリスクがある。


─── 第3章:特定技能の対象分野に新3分野が追加(2025年12月) ───

ニュースの概要

2025年12月の閣議決定で、特定技能(とくていぎのう)1号の対象分野に新たに3分野が加わった。

新たに追加された3分野:

1. リネンサプライ業(ホテルや病院向けのシーツ・タオル類の洗濯・管理)

2. 物流倉庫業(倉庫内のピッキング・梱包・仕分けなど)

3. 資源循環業(廃棄物の収集・運搬・リサイクル処理)

これにより特定技能1号の対象分野は合計22分野となった(2025年末時点)。

特定技能とは何か(初心者向け)

特定技能(とくていぎのう)は、人手不足が深刻な特定の分野で外国人を受け入れるための在留資格だ。2019年に創設された比較的新しい制度で、試験に合格すれば現地採用・海外からの直接採用も可能。

種別期間家族帯同向いている企業
特定技能1号最長5年不可中小製造・飲食・農業など
特定技能2号無制限(更新可)熟練技術者の長期雇用

特定技能の最大のメリットは「即戦力として受け入れられる」点だ。技能実習のように「研修名目」にする必要がなく、最初から「働いてもらう人材」として位置づけられる。

物流倉庫業の追加が中小企業にとって特に重要な理由

物流倉庫業は、ECサイトの普及によって慢性的な人手不足が続いている分野だ。ドライバー不足に加えて倉庫内作業員の確保も困難になっているなかで、特定技能の対象分野に加わったことは多くの中小物流企業にとって朗報だ。

採用担当者へのポイント

「うちの業種は特定技能の対象じゃないから関係ない」と思っていた企業が対象になるケースが年々増えている。新規追加の分野は制度整備が進んでいる最中のため、支援機関や行政書士へ相談しながら早めに動くのが賢明だ。


─── 第4章:特定技能・育成就労の受入上限123万人を閣議決定(2026年1月) ───

ニュースの概要

2026年1月23日、政府は特定技能と育成就労を合わせた向こう5年間(2026〜2030年度)の受入上限を123万1,000人と閣議決定した。内訳は特定技能が80万5,000人、育成就労が42万6,000人だ。

この数字はどう読めばいいか

日本の労働力不足を穴埋めするために必要な人数として算定された目標値だ。前回の受入見込み数(2019〜2023年度:34万5,000人)と比べると約3.6倍に拡大されており、政府が外国人労働力の受け入れに本格的に舵を切ったことを示している。

区分5年間の受入上限
特定技能1号約80.5万人
育成就労約42.6万人
合計約123.1万人

(※上記は公表の概算値です)

「上限」はあくまでも目標値

注意が必要なのは、これはあくまでも「政府が許容する上限」であって、「自動的に123万人が来る」という話ではない。実際の受け入れ数は、日本企業の採用意欲や海外の送出し状況によって変わってくる。

採用担当者へのポイント

受入上限の大幅拡大は、制度の間口が広がることを意味する。特に製造業・農業・介護・飲食業は今後ますます外国人材の採用競争が激化すると予想される。


─── 第5章:特定技能の定期届出が年4回から年1回に簡素化(2025年内) ───

ニュースの概要

特定技能外国人を雇用している企業が出入国在留管理庁(入管庁)へ提出する「定期届出(ていきとどけで)」の頻度が、従来の四半期(年4回)から年1回に簡素化された。

定期届出とは何か

特定技能外国人を雇用する企業は、受け入れ状況を定期的に入管庁に報告する義務がある。これが定期届出だ。報告内容には、報酬・労働時間・活動状況などが含まれる。

変更前変更後
年4回(四半期ごと)年1回
中小企業には負担大大幅に事務負担軽減

中小企業の採用に与える影響

従来、特定技能外国人を雇うデメリットの一つに「届出が多くて事務が大変」という声があった。年4回の提出は、専任の人事担当がいない中小企業には相当な負担だった。

年1回への簡素化によって、特定技能の採用へのハードルが実質的に下がった形だ。

採用担当者へのポイント

「手続きが面倒だから特定技能は避けてきた」という経営者にとっては、再検討する価値がある変更だ。届出の回数が減った分、日常業務への影響が少なくなった。


─── 第6章:特定技能の月給が前年比7.6%増(外国人雇用実態調査) ───

ニュースの概要

厚生労働省が実施した「令和6年外国人雇用実態調査(令和6年10月)」の結果が2025年に公表された。それによると、特定技能外国人の月給の平均が前年比7.6%増となっており、賃金上昇が数字として確認できる。

なぜ外国人労働者の賃金が上がっているのか

背景にあるのは日本全体の賃金上昇の流れだ。最低賃金の引き上げ(2025年10月には全国加重平均1,055円)や、人手不足を背景にした労働市場の需給逼迫が賃金を押し上げている。

外国人労働者にも当然この波が及んでおり、「日本人と同等以上の報酬」が求められる特定技能ではとくに影響が大きい。

比較軸日本人労働者特定技能外国人
賃金水準の原則一般水準同等職種の日本人と同等以上
2025年の傾向賃上げ継続前年比7.6%増

(※数値は概算表示例です。実際の調査公表値をご確認ください)

採用担当者へのポイント

「外国人なら安く雇える」という発想は、特定技能においては通用しない。日本人と同等以上の賃金が法律で義務づけられており、賃金水準を上げなければ採用競争で負けるリスクがある。


─── 第7章:入管法改正案で在留資格更新手数料が引き上げへ(2025年) ───

ニュースの概要

出入国管理及び難民認定法(入管法)の改正案が国会で審議され、在留資格の更新・変更に係る手数料が引き上げられる方向で議論が進んだ。

現行の手数料と議論の状況

手続き種別現行手数料議論の方向
在留期間更新許可申請4,000円引き上げ方向で議論
在留資格変更許可申請4,000円引き上げ方向で議論
在留資格認定証明書交付申請無料有料化の議論あり

(※実際の改正額・施行時期は正式な法令・省令の公布内容をご確認ください。改正案の審議状況によって変動する場合があります)

手数料引き上げの背景

入管庁の業務量は外国人増加に伴い急増しているが、手数料収入はほとんど変わっていなかった。財政的な持続可能性の観点から、一定の負担増が避けられないと判断されたようだ。

採用担当者へのポイント

手数料の引き上げ幅は数千円〜1万円程度の見通しで、採用コスト全体から見れば大きな金額ではない。ただし、人数が多い企業では積み上がるため、採用計画の予算に織り込んでおくと良い。


─── 第8章:育成就労で「転籍自由化」——職場を変えられる外国人労働者との付き合い方(2025年〜) ───

ニュースの概要

育成就労制度の大きな特徴のひとつが「転籍(てんせき)の自由化」だ。2025年に政省令レベルの詳細が固まり、1年以上在籍した労働者は同一業務分野内であれば転籍できることが改めて確認された。

技能実習時代は「原則として転籍不可」が大きな問題点とされていた。劣悪な職場環境にいても逃げられないという状況が人権問題として国際的に批判を浴びてきたが、育成就労ではこれが解消される。

転籍自由化が企業に与える具体的な影響

ケース技能実習育成就労
賃金が他社より低い辞められない1年後に転籍される可能性あり
職場環境が悪い辞められない転籍先を探し始める
キャリアアップを求めている難しい同一分野内で上位企業へ移れる

「1年頑張って転籍条件を満たしてから、給料の高い会社に移る」という動きが今後増えると予想される。

採用担当者へのポイント

転籍自由化は「外国人労働者を引き止められなくなる制度」と怖がる企業もあるが、裏返せば「良い職場環境を作れば人材が集まる・定着する制度」でもある。

日本語研修・キャリアパスの見える化・住環境のサポート——こうした「選ばれる職場」づくりが、育成就労時代の採用戦略の核心になる。


─── 第9章:国別に見る外国人労働者の動向——ベトナム・インドネシアの変化(2025年) ───

ニュースの概要

2025年、日本における主要送出し国の動向に変化が見られた。ベトナムからの労働者数は依然として最多だが増加ペースが鈍化しており、インドネシア・ミャンマー・ネパールからの労働者増加が加速している。

背景:ベトナムからの採用が難しくなってきた

ベトナムの経済成長に伴い、現地の賃金水準が上昇している。「日本に行くより、ホーチミンの工場で働く方がいい」という判断をする若者も増えており、日本行きの志願者が以前より集まりにくくなっているという声が送出し機関から上がっている。

傾向主な変化の理由
ベトナム増加ペース鈍化現地賃金上昇・他国(韓国・台湾)との競争激化
インドネシア急増人口が多い・日本語学習熱の高まり・Eパスポート普及
ミャンマー増加政情不安により日本への定住希望者増
ネパール増加留学→就労ルートが定着

採用担当者へのポイント

「外国人採用=ベトナム人」という時代は終わりつつある。インドネシア人・ネパール人など、特性の異なる人材の採用も視野に入れておくことで、採用機会が広がる。


─── 第10章:外国人雇用事業所が37万カ所超で過去最多——中小企業が牽引(2026年1月) ───

ニュースの概要

厚生労働省の発表によると、2025年10月末時点で外国人を雇用している事業所数は37万1,215カ所に達し、過去最多を記録した。

規模別に見ると、従業員30人未満の小規模事業所が全体の過半数を占めており、外国人採用は大企業だけの話ではなくなっていることが数字に表れている。

業種別の受け入れ状況

業種主な在留資格傾向
製造業特定技能・育成就労・技能実習最多、引き続き増加
卸売業・小売業技人国・特定活動・身分系安定した増加
宿泊業・飲食サービス特定技能・留学(アルバイト)コロナ後に急回復
医療・福祉特定技能(介護)・EPA介護分野で拡大
情報通信業技術・人文知識・国際業務ITエンジニア需要が旺盛

採用担当者へのポイント

「同業他社はもう外国人を採用しているのかな」と気になる人は、業界団体や商工会議所に聞いてみると良い。自社の業種ですでに実績のある在留資格や採用経路を把握することで、スムーズなスタートが切れる。


─── 第11章:今から準備すること——制度変化を踏まえた実践ガイド ───

2025〜2026年の外国人採用トレンドをまとめると

ここまで10本のニュースを解説してきた。整理すると、今の外国人採用をめぐる動きは大きく3つの流れに集約できる。

① 外国人労働者の権利保護が強化されている

育成就労での転籍自由化、特定技能の賃金上昇、入管庁への届出簡素化など、「受け入れる側の都合に合わせた制度」から「働く外国人の権利も守る制度」へのシフトが進んでいる。

② 受け入れ規模が急拡大している

123万人という受入上限の設定や、特定技能対象分野の拡大は、「もっと外国人を受け入れる」という政府の強い意志を示している。

③ 採用競争が激化している

外国人を雇う企業が37万カ所を超え、争奪戦は本格化している。特に育成就労・特定技能分野での優秀な人材確保には、給与・環境・教育体制の整備が欠かせない。

「明日から使える」チェックリスト

アクション優先度所要時間のめど
自社の業種が特定技能の対象分野か確認する30分
在留カードの確認方法を社内共有する1時間
登録支援機関・行政書士のリストアップ2〜3時間
育成就労移行に向けた社内制度の見直し着手数日〜数週間
国別特性を踏まえた採用ターゲットの見直し1時間

よくある疑問・不安への回答

Q:外国人を採用したことがないが、どこに相談すればいい?

A:地域の商工会議所や、行政書士・登録支援機関(とくていぎのうの受け入れをサポートする機関)が相談窓口になる。最初の1社目は専門家のサポートを受けながら進めるのが安心だ。

Q:特定技能の試験はどこで受けられる?

A:分野ごとに試験実施団体が異なる。海外での試験実施も増えており、現地で採用してビザ申請するルートも選択肢に入れやすくなっている。

Q:育成就労が始まったら技能実習は終わり?

A:2030年3月末まで並行運用される。現在受け入れ中の技能実習生への影響は段階的に適用されるため、急いで動く必要はない。

Q:外国人を雇ったら雇用保険・社会保険はどうなる?

A:基本的に日本人と同じ扱いだ。週20時間以上働かせる場合は雇用保険に加入させる義務があり、社会保険(健康保険・厚生年金)も適用される。


─── まとめ ───

2025年は外国人労働をめぐる制度がまとめて動いた節目の年だった。

すぐに使える情報まとめ:

  • 外国人労働者はすでに257万人を超え、あなたの業界でも「普通の採用手段」になっている
  • 育成就労は2027年4月1日から始まる。慌てず、3年猶予を活かして準備を
  • 特定技能の対象分野が22分野に拡大。自社の業種が対象か再確認を
  • 定期届出が年1回に簡素化。手続き負担が大きく下がった

明日試してほしいこと:

1. 入管庁のウェブサイトで「特定技能の対象分野」を検索し、自社業種が含まれているか確認する

2. 採用を考えている国籍について、地域の支援機関に相談先を聞いてみる

外国人採用は「慣れてしまえばそこまで難しくない」と言う経営者が多い。最初の一歩が一番高いハードルだ。制度の波に乗り遅れないよう、今のうちに動いておこう。


この記事は2026年3月時点の情報をもとに作成しています。制度の詳細は出入国在留管理庁(入管庁)の公式サイト、または専門の行政書士・登録支援機関にご確認ください。


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